第一三章 三美歌その二〔一五三八〕
  第二八(二三五)
    一
 やみぢにまよひし  世の人よ神の めぐみのしたたる  みをしへをきけや   (折返) 涙の雨は  たちまち晴れて つきせぬうれしみ  日の出とかがやかむ。
    二
 浮世のます人  苦しめる友よ 心を清めて  瑞霊にまつろへ。
    三
 苦しみもだへて  なげく罪人よ すくひの御舟を  指をり待てかし。
    四
 大本御神に  なやみをはらはれ いさみてあそばむ  吉き日はまぢかし。
  第二九(二四二)
    一
 神の御国へ  のぼりゆくと 知れど親しき  あとにのこし 肉のやかたを  別るるとき なごり惜まぬ  人やはある   (折返) アヽみづみたま  御神にまさる御力なし。
    二
 とはの生命は  みとむれども 逝きますあとに  生けるものに なごりのうれひ  たえがたきを いかでなげかぬ  ひとやはある。
    三
 うき世の富を  ねがはずとも うからやからは  うゑにふるひ わが身なやみて  いえぬときは たれかくるしみ  かなしまざる。
    四
 まが神たけり  まことよわく つみに曇れる  世にし住めど 祝詞に由りて  神力を得 かよわき魂も  つひにかちなむ。
  第三〇(二四三)
    一
 をしへのわが友  ミロクの神は 千座のおき戸に  つみゆるします こころのなやみを  皆うちあけて などかはおろさぬ  つみの重荷を。
    二
 をしへのわが友  ミロクの神は われらのなやみを  しりて憐れむ 諸のかなしみに  しづめる時も 真言にこたへて  すくはせ玉はむ。
    三
 をしへのわが友  ミロクの神は ふかきいつくしみ  千代にかはらず 世人のわが身を  離るる時も 真言にこたへて  恵ませたまはむ。
  第三一(二四八)
    一
 わが身体わが霊魂  わが生命の守神  朝なほめ夕べたたへ  猶たらじとおもふ。
    二
 したひまつる瑞御魂  いづれの御国に  その御姿をあらはし  守らせたまふぞ。
    三
 狼のさけぶ山路  ふるひつつ辿り  行きなやみたる吾身を  あだはあざみわらふ。
    四
 木の花姫のらせかし  白梅のかをり  野に咲くか山に咲くか  あい悟らまほし。
    五
 瑞御魂うるはしさに  神人よろこび  言霊の御ちからこそ  天地動げ。
    六
 いと優しき瑞御魂  言の葉うれしき  清き生命のいづみは  きみにこそあれや。
  第三二(二四九)
    一
 あまつ御国 のぼりなむ みちしるべは  千座を 負ふともなど   かなしむべき 救主のみ許に ちかづかむ。
    二
 かをれる間に 花ちり 草のまくら  しとねの 夢にもなほ   神をあがめ 救主のみもとに ちかづかむ。
    三
 あまつつかひは みそらに わたす橋の  うへより 迎へたまふ   たまをきよめ 救主のみもとに ちかづかむ。
    四
 目さめし吾 み神の あとを追ひて  み幸を いよよ切に   願ひつつぞ 救主のみもとに ちかづかむ。
    五
 あまつくにに のぼりて さかえ行く日  みたまの きよきいのち   ながくてりて 救主の御顔を あふぎみむ。
  第三三(二六四)
    一
 瑞の御魂よわが身を  うづの宮となしたまへ けがれしこの身の魂を  月日なす照らしませよ   (折返) わが御霊あらひて  雪よりも潔くせよな。
    二
 厳の神力によりて  醜の曲霊をおひそけ きよき御霊にたてかへ  みまへに仕へしめてよ。
    三
 神よ千座のもとに  ふしていのるわがみたま 抜かれたまひし血しほに  暗き身を照らしたまへ。
    四
 月の神のいさをしに  照らさるるこそうれしき 霊魂をあらたにきよめ  あまつつかひとなしたまへ。
  第三四(二七三)
    一
 聖き十曜の  御旗こそ 御祖の神の  さだめてし 現世神世の  宝なり 御はた汚さず  よくまもれ   (折返) 守れよまもれ  よく守れ  十曜の御旗  押し立てよ。
    二
 十曜の御旗を  あさ風に ひるがへしつつ  すすみ行け 神は汝と  倶にあり 神のまにまに  身をささげ。
    三
 神の神軍  むらきもの こころを清め  身をきよめ 御教のままに  すすみゆけ 厳の御霊の  御楯とし。
    四
 大地は泥に  沈むとも 月落ち星は  降るとも まこと一つの  麻柱の 神の言葉は  動かまじ。
    五
 来たれやきたれ  神の子よ いづのみたまや  みづみたま あらはれませる  神園に 神は汝等を  待たせたまふ。
  第三五(二七四)
    一
 神のいくさの  きみのみむねを をしへつかさよ  よくまもれ ことたまきよめ  霊あきらかに はやうちむかへ  まが神に。
    二
 仇よ矢玉を  はなたばはなて われには厳の  言葉あり あだよてだてを  つくさばつくせ われにも神の  たすけあり。
    三
 神のまにまに  ちからはまして まがのいくさは  どよめきぬ いさめよいさめ  救ひの瑞霊と かちどきあぐる  時はきぬ。
  第三六(二七五)
    一
 立てよふるへよ  神のいくさ  みずや御旗の  十曜の紋を まがのみいくさ  失せゆくまで  救主はさきだち  進みたまはむ。
    二
 きけよふえの音  救主の吹かす  声はいくさの  かどでのしらせ 神にしたがふ  身にしあれば  よろづのあだも  いかでおそれむ。
    三
 瑞の御魂の  ちからにより  厳のよろひを  かたくまとひ 直霊のつるぎ  ぬきかざして  神のまにまに  いさみすすめ。
    四
 瑞のみいくさ  やがてをはり  厳のかちうた  きよくうたひ つきひかざしの  かむりをうけ  みづの御神と  ともにいさまむ。
  第三七(二八〇)
    一
 あらへよ霊魂  こころかぎり  ちからつくまでに  いそぎすすげ みたまのひかりは  くもにふれず  あめつち四方八方  照るたのしさ。
    二
 をしへのつかさは  くものごとく  むらがりかこみて  殿に居れり わきめもふらずに  神のさとし  きよむるまごころ  うべなひたまふ。
    三
 みろくの御神の  きよきこころ  まなばせたまへと  両手あはせ この世の御はしら  つかへなむと  天授の霊魂を  研きすます。
    四
 あまつ御使の  みづの御霊  御言のまにまに  すすむこの身 いかなるあくまの  さはりあるも  神のみちからに  うちも払はむ。
  第三八(二八八)
    一
 いづの神の  のらすみのり かしこみまつり  世におそれず ひとにたよらで  みちをまもり つよきをなだめて  よわきをたすくる 人こそ実に  うづのみこぞ。
    二
 かみのよさす  御使誰ぞ あしきこころを  夢いだかず いづのみのりを  かしこみつつ あしたに夕べに  たゆまずつかふる 人こそ実に  うづの使。
    三
 みちをまもる  まめひと誰ぞ 世にさきがけて  御世をなげき 世人のさちを  ともにいはひ あめにもつちにも  愧るを知らざる 身霊ぞ実に  信徒なれ。
  第三九(三〇三)
    一
 いかなるなげきも  科戸の風に いきふき払ひて  身もすこやかに 神のみをしへを  たよりとなして うつしきこの世を  うたひくらさむ。
    二
 浮世の苦しみ  いかがありなむ まことのよろこび  瑞霊にこそあれや あく魔にあふとも  救主ましまして 守らせたまへば  いさまざらめや。
    三
 御神をあふげば  こころのなやみ 日に夜にはらはれ  雲霧はれぬ かきはに輝く  瑞霊のひかり ながめしわれ等は  勇まざらめや。
  第四〇(三〇五)
    一
 罪に汚れし  わがみなれども  瑞のみたまは  千座を負ひて   われ等をきよめ  救ひ玉へり。
    二
 きよき御国の  御民となして  神につかへて  羊のごとく   ただみち守り  住まはせたまへ。
    三
 奇びにたふとき  大御めぐみや  いづのみひかり  あふぎしわれは   この世に怖づる  もの無かりけり。
    四
 伊都の御神の  みこころ知らで  そむきまつりし  まがこそは実に   かみの御国の  仇なりしかも。
  第四一(三〇九)
    一
 あく魔はすさびて  暗夜はふかし  わが身はいかにと  をののきわづらふ   (折返) わが救主よこよひも  このみをまもり さみしき一と夜  めぐまひ玉へ。
    二
 ちかく交こりし  友みなゆきて  つれなき憂世に  ふりのこされぬ。
    三
 わがみの霊衣は  うすくなりけり  夜なき神国も  ちかづきしならむ。
    四
 をしへのまにまに  逝かしめたまへ  生世のあしたに  よみがへるまで。
  第四二(三一二)
    一
 霊魂のふるさと  あふぎ見れば 歎きにかすめる  目も晴れけり。
    二
 小暗きこの世の  曲をきため とび来る矢玉も  おそれずたたむ。
    三
 やだまは霰と  降らばふれよ まがつは嵐と  吹かばふけよ。
    四
 永久の住処なる  もとつ家に かへりゆく身は  いと安からむ。
    五
 さしもに長閑な  神の国に やつれし霊魂を  ながく休めむ。
  第四三(三一七)
    一
 月雪よ花よと  愛でにし わがこののこしたる  衣のそで ながめてなげく折  御かみは やすくわが身霊を  なぐさめたまふ   (折返) めぐしき吾子よ  神の辺に のぼりゆき祈りを  ともにせよや。
    二
 わかれゆくわが子を  おくりぬ なみだの雨晴れて  雲はちれり 花さき匂ひ充つる  たびぢを いさみすすみ行けや  月すむ夜半。
    三
 神にひとしかりし  わが子よ 今ちちは年老い  母はやみぬ 然れど汝が魂  いさみて わが世を守りつつ  神国へゆけ。
  第四四(三二一)
    一
 山伐り払へば  あたひは降り  川水かわけば  舟もかよはず せむすべ無き身を  誰にかたよらむ  瑞の御魂なす  神の愛のみ。
    二
 いのちの清水は  かきはに湧けり  つれなきあらかぜ  誘ひくるとも いかでか恐れむ  神のますみくに  めぐみの露にぞ  うるほひまつる。
    三
 伊都能売の神の  ふかき心は  いかでか知り得む  人の身をもて ふたつの御霊の  月日のわざを  つつしみうやまへ  たかきみいさを。
  第四五(三二二)
    一
 救主のしもべの  むつびあひて 神たちあがむる  うるはしさよ。
    二
 御魂あひて  ことたまあひ みくにのおんため  一つに祈る。
    三
 神につかふ  貴の友は はなるること無し  とこしなへに。
  第四六(三二五)
    一
 ひとやの中にも  よろこびあり 世人にかはりて  血をながせる 瑞の神ばしら  偲び見れば なげきはみづから  消えてぞゆく。
    二
 わがみ憂きときに  まなこさまし 瑞の御魂なる  救主を見れば 千座の置戸を  負はせぬれど ひるみたまはぬに  こころいさむ。
    三
 苦しめる時にも  楽しみあり きよきをしへにも  曲しのべる 火をうごかす水  またも水は 火のためにうごく  奇しき世になむ。
  第四七(三四二)
    一
 うつりかはるよにしあれど  うごかぬはみくに   あふぎうたはむ友よ来たれ とこしなへのうたを  とこしなへのうたを   あふぎうたはむ友よ来たれ    とこしなへの御うた。
    二
 おきておもひふして夢み  あまつ神のもとに   花咲きにほふすがた見ゆ かすみは日に月に  かげもなく消えて   花のかをるすがたきよく    かすみは日に晴れて。
    三
 あくに勝てるいくさびとの  言霊の風流   火口そろへ進みつつも 月かげを力とし  よせきたる浪わけて   たかまのはら昇りてゆく    うづみのりみこあゆむ。
    四
 八雲小琴掻き鳴らして  いづのうたうたひ   いづの御霊みづ御魂 こころなぐさまひつつ  きよきしらべささぐ   神ののりのまめひとらが    いづの御前にふして。
  第四八(三五六)
    一
 黄金白銀  山なすとても いかで求めむ  さびゆく宝ぞ 霊魂の行衛  天津御国 栄へ久しき  うづの住居 かみわがたま  あまつくにの いのちのそのに  みちびきませ。
    二
 山とつみてし  わが身のつみ はらひきよませ  霊幸はひて よろこび充てる  神の座へ あめ地ももの  神のつかひ よさしのまま  わがみたまを めぐませたまへ  すくひの救主。
    三
 八雲の琴の  珍の音色 ひびき渡れり  神の庭に 草木も露の  玉をかざし 神の御さかえ  祝ひまつる 木の葉青く  花はあかく 竜の宮居の  うるはしさよ。
  第四九(三九二)
    一
 国常立の神  わがたまを守り 御霊の糧もて  いのちを永久に給べ   (折返) みろくの御代の  開くる日まで いづのまもり  ひろけくあれませよ。
    二
 やみ路を行く時も  魔神たける夜半も ゆくてを照らして  とはにみちびきませ。
    三
 ゆくてを包みたる  しこの雲霧も 科戸辺の風に  伊吹はらひすすむ。
    四
 みろくの神代まで  わがたまを守り み翼のしたに  かかへ守らせ瑞霊。
  第五〇(四〇九)
    一
 暗の野路を  ひとりゆけど 神にまかせたる  魂はやすし。
    二
 あらきはやて  滝なすあめ いかでおそれむや  神のをしへ子。
    三
 あきの水と  魂はきよく 月日はかがやき  むねはさえぬ。
    四
 浪はあらく  風は激し この舟みなとに  いつかつくらむ。
    五
 いづのみたま  みづの御魂 われらを守りて  あかしたまへ。
    六
 山はくづれ  かははさけて なやめるときこそ  神はすくはむ。
  第五一(四一八)
    一
 瑞の御魂は  月にしあれば  暗夜も清く  あかしたまへり   (折返) いづみたま  みづみたま いづのめの  みたまきよし。
    二
 世人のために  てあしの爪を  ぬかせたまひて  千座につけり。
    三
 うづの御園を  ひらきてわれを  またせたまへり  月日の御神。
    四
 瑞のみたまよ  ましみづたれて  くらきこころを  あらはせたまへ。
  第五二(四二三)
    一
 伊都能売の神の  天降ります日  すくはる信徒  瑞の霊   (折返) 月日のごとく  かがやきます まことの神の  盾とならむ。
    二
 きたなきけがれに  そまぬ魂を  み神のたからに  くはへられ。
    三
 みくににすすみて  神をあがめ  まがつに染まざる  瑞の霊。
  第五三(四二七)
    一
 山の尾の上  野辺のはたけ  高田窪田  狭田長田 いそしみまく  いきのたねの  八束穂なす  秋来たらむ   (折返) 獲り入るる  秋ちかし いさみてまて  やつかのほ とりいるる  秋ちかし いさみて待て  やつかのほ。
    二
 みそらかすむ  のどけき日も  寒かぜ吹く  冬の夜も いそしみ蒔く  いきのたねの  やつかほなす  秋来たらむ。
    三
 うきを忍び  身をつくして  きよき教の  たねを蒔け たわに実のる  その足り穂を  神はめでて  うけたまはむ。
  第五四(四二八)
    一
 笹のつゆも  すゑつひに 川とながれ  海となる。
    二
 いとちひさき  ちりさへも つもればまた  山となる。
    三
 あだに暮す  息のまも たふとき身の  いのちなり。
    四
 ありのあなも  いつとなく つつみをさく  種ぞかし。
    五
 あはのちさき  一粒も 倉を充たす  たまとなる。
  第五五(四五一)
    一
 聞けやいづの御声  見よや御姿 直霊にかへりみて  勇みすすめよ 大御神言をば  かしこみまつらひて 言霊のつるぎを  かざしすすみゆけ   (折返) 大国常立の  尊の御声に まなこをよくさまし  神の御楯となりて。
    二
 曲津霊にかこまれ  鬼におそはれ 逃げまどふ友あり  あはやあやふきを すくはでおくべきや  言霊つるぎもて みなことむけやはし  みちに生かすべし。
    三
 曲軍にげちる  言たまきよし きよまれるつはもの  勇みふるひぬ すめ神の御座に  かちどきをあげよ。
  第五六(四五六)
    一
 かなたの岸に  み船つけて  きよきたふとき  み許に行かむ 生日まちつつ  み魂をきよめ  うからやからや  ともらにあはむ   (折返) やがてあはなむ  (やがてたのしく会はなむ) うからやからと  したしき友に。
    二
 めぐみの露の  しげき国に  昇りてまたも  えにし結ばむ かくれし月日  星もかがやき  消えし望みも  また生きかへる。
    三
 親子妹背の  めぐり会ひに  手に手をとりて  笑顔つくる 雲霧かすみ  あとなく消えて  きよき姿を  ながめたのしむ。
  第五七(四六二)
 父神母神  おほみまへに いやとこしなへに  みさかえあれ。
(大正一二・五・一五 加藤明子録)